視覚障害を契機に副腎白質ジストロフィーと診断された1例

  • 春石 和子
    川崎医科大学 眼科学1教室 川崎医療福祉大学 リハビリテーション学部 視能療法学科
  • 三木 淳司
    川崎医科大学 眼科学1教室 川崎医療福祉大学 リハビリテーション学部 視能療法学科
  • 荒木 俊介
    川崎医科大学 眼科学1教室
  • 後藤 克聡
    川崎医科大学 眼科学1教室
  • 赤池 洋人
    川崎医科大学 小児科学
  • 松田 純子
    川崎医科大学 小児科学 川崎医科大学 病態代謝学
  • 尾内 一信
    川崎医科大学 小児科学
  • 桐生 純一
    川崎医科大学 眼科学1教室

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Adrenoleukodystrophy Diagnosed Based on Visual Disturbance

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説明

<p> 視覚障害を契機に副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy:ALD)と診断された症例を経験したので報告する.症例は発達障害と進行性の知的障害のある10歳,男児.3週間前からの視力低下,歩行障害を主訴に近医より当科紹介受診となった.視力は右眼0.08,左眼0.04,眼位は両眼とも外転位であった.頭部MRI検査のT2強調およびFLAIR画像において深部白質に左右対称性の高信号域,血中極長鎖脂肪酸の増加,ABCD1遺伝子に変異がみられたことから,小児大脳型ALDと診断した.診断から4か月後に臍帯血移植を行い移植は成功したが,13歳で死亡した.発達障害の既往により初期の臨床症状が見過ごされたため,診断・治療まで時間を要した症例であった.視力障害に歩行障害,進行性の知的障害を合併した男児を診察した際はALDを念頭に置き,早期にMRIを行い早期診断・治療に繋げることが重要である.</p>

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 37 (2), 165-170, 2020-06-25

    日本神経眼科学会

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