内シャント設置後に生じる問題点を肉眼解剖学的に考察する

  • 松山 永久
    日本保健医療大学保健医療学部看護学科病理学 神奈川歯科大学解剖学実習部門

書誌事項

タイトル別名
  • Gross anatomical analysis of complications associated with the site of arteriovenous fistula placement
  • ナイ シャント セッチ ゴ ニ ショウジル モンダイテン オ ニクガン カイボウガクテキ ニ コウサツ スル

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説明

<p>内シャントを設置した解剖学実習遺体を用いて、設置後の問題とされている血管拡張、狭窄と瘤形成について肉眼解剖学的に観察した。著しい血管の拡張、狭窄や瘤形成は、橈骨動脈と橈側皮静脈の吻合部から近位側の動・静脈にみられた。血管拡張の原因は、内シャント設置に伴う動静脈吻合により、橈骨動脈から高い圧力の血流により生じたものと推測された。瘤形成の原因は、穿刺を同じ部位やその周囲に繰り返へしおこなったことにより、動静脈吻合部から近位側の静脈に血液がうっ滞し、生じたものと推測された。また、橈側皮静脈狭窄の原因は、吻合部周囲で生じた小さな瘤が、高い圧力の血流により移動し生じたものと推測された。</p><p>設置した内シャントを長期間維持するには、①シャント瘤形成や血管拡張が生じないように、似たような部位や特定部位で穿刺をしないこと。②血液の過剰逆流が生じにようにすること。③前腕や手掌の筋力の低下により心臓に戻る血液の停滞がないこと。以上3点を観察することが重要と考えられた。</p>

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