保育および教育機能からみた中山間地域の存続基盤

  • 本多 広樹
    山形大学人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース

書誌事項

タイトル別名
  • The Basis of Mountainous Areas Maintenance Focusing on the Functions of Childcare and Education:The Case of Niiyama District, Ina City
  • ── 伊那市新山地区を事例として ──

説明

<p> 本稿は,伊那市新山地区を対象地域とし,保育および教育機能に関わる主体の活動やその関係性に着目することで,保育および教育機能からみた中山間地域の存続基盤を明らかにすることを目的とした。分析の結果,以下の諸点が明らかになった。伊那市新山地区では,1947年に新山地区内の全戸が新山小学校のPTAに加入したことに端を発し,地域全体で保育および教育機能を重視していた。しかし,2000年代後半には新山保育園の園児数および新山小学校の児童数の減少が深刻化し,新山保育園は2009年度に休園した。一方で,新山保育園や新山小学校の存続に危機感を抱いた住民は,新たな取組みも数多く実施してきた。その中では,保護者間の繋がり,特に母親間の繋がりが重視された。結果的に園児数は確保され,新山保育園は2014年度に再開した。こうした活動の結果,伊那市新山地区は移住者,特に子育て世代にとって魅力的な地域となり,多くの世帯が定住していた。加えて,保育および教育機能の維持に向けた活動は移住促進も含む多様なものへと拡大した。</p>

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