林業遺産の保全にむけた改善策の提案

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  • Suggestions for sustainable management of forestry heritage

抄録

<p> 近代化遺産を保全する動きが活発化し、林業分野においても、2013年度から開始された「林業遺産」選定制度により、林業遺産への関心も少しずつ高まっている。林業用具については、有形民俗文化財として資料館・博物館などで収蔵されてきた。森林鉄道といった近代化遺産に関しても、1996年の改正文化財保護法を契機に、登録文化財として指定する可能性が出てきた。</p><p> しかしながら、林業遺産の保全が十分進んだとは言えない。特に野外に存在する林業遺構については、大半は放置されている状況が続く。とりわけ林業遺産に関しては、奥地に位置するといった地理的条件、一般への知名度の低さといった社会的条件、財政上の支援が乏しいという経済的条件がボトルネックとして存在する。</p><p> 財政面については、森林環境譲与税や森林環境税(地方税)を活用した地方公共団体の支援などが考えられる。多面的機能の発揮の為に、林野庁が林業遺産を保全にむけて財政面も含めた支援を行う必要もあるだろう。林業遺産の保全をめぐる関係者が協議を行えるような場の構築といったソフト面での支援も必要である。</p><p> 本研究の一部は、JSPS科研16H04940の助成を受けた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250131662720
  • NII論文ID
    130007880499
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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