ウルシ種子の複合休眠を打破する発芽促進処理の検討

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タイトル別名
  • How to break the seed dormancy of <i>Toxicodendron vernicifluum</i>

抄録

<p> ウルシ実生苗の生産現場では、種子の発芽率が10%ほどと非常に低いことが問題とされている。そこで、種子の発芽促進のための処理方法とその効果について検討した。ウルシ種子は物理的休眠と胚休眠を併せ持つ複合休眠状態にあるため、それぞれの休眠状態を打破するための処理を行った。まず、物理的休眠打破のための処理として、傷つけ処理、または、濃硫酸、1 M NaOH、洗剤、木灰9%を混ぜた70℃の温水への浸漬処理のいずれかを行い、効果を種子の吸水率によって評価した。その結果、濃硫酸への浸漬処理を60~120分行うと、吸水7日後の吸水率が80%以上になり、他の処理よりも効果的であることがわかった。次に、濃硫酸処理後の種子に対して胚休眠打破のための処理として、低温湿層処理、または、100 ppm ジベレリンA3、0.2% KNO3、10 mMエテホンのいずれかによる浸漬処理を行い、効果を発芽率によって評価した。その結果、胚休眠は4週間の低温湿層処理で打破できることがわかった。これらの成果を基に4母樹の種子に、濃硫酸への90分浸漬・低温湿層処理を組み合わせて発芽率を調べた結果、24~74%の発芽率が得られた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250131748096
  • NII論文ID
    130007880633
  • DOI
    10.11519/jfsc.131.0_304
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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