水源涵養機能評価のための森林成長に伴う流出量の変動に関する分析
書誌事項
- タイトル別名
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- The analysis about how forest growth influences the outflow for evaluation of water supply function
説明
<p>東京大学生態水文学研究所穴の宮試験地の量水観測データと植生データを用いて森林構造の変化による河川の流出過程への影響について分析し、降雨の流出過程を考慮した水源涵養機能評価の可能を検討した。穴の宮試験地の植生変化に合わせて、1930年~1949年(ハゲ山期)、1955年~1974年(マツ林期)、1990年~2009年(二次林期)の植生の異なる3時期に分け、各日の降雨特性の指標としてAPI(先行降雨指標)を用いて降雨特性による影響を考慮した流出量の変化を分析した。一月と八月のAPIの平均値が前後の月に比べて低いことから、それぞれ冬と夏の渇水期として渇水時の水源涵養機能を検討した。その結果、渇水時の流出総量は森林蓄積の増加に伴い減少する傾向が見られた。また、一月はマツ林期、八月は二次林期の流出量が他の2時期より有意に少なく、八月のマツ林期はハゲ山期よりAPIが大きいにもかかわらず流出量に差は見られなかった。分析の結果、類似した降雨特性の場合でも森林植生タイプや季節の組み合わせによって流出量は異なる様相を示しており、森林の水源涵養機能は従来のように貯留能力のみを評価するだけでなく流出パターンをも考慮した評価が必要である。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 131 (0), 410-, 2020-05-25
一般社団法人日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390848250131814016
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- NII論文ID
- 130007880741
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可