全身性エリテマトーデスの免疫抑制療法中に膵外分泌酵素上昇と膵内分泌機能低下を認めた糖尿病の1例

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タイトル別名
  • A Case of Type 2 Diabetes Mellitus With Elevated Pancreatic Exocrine Enzyme Levels and Decreased Pancreatic Endocrine Function During Immunosuppressive Therapy for Systemic Lupus Erythematosus

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抄録

<p>53歳女性.46歳時に全身性エリテマトーデスに対して免疫抑制療法,52歳時にDPP4阻害薬が開始された.53歳時,CNSループスの診断で入院となりステロイドを増量し,インスリン皮下注射も開始した.当初抵抗性が主たる病態(CPR 8.1 ng/mL)だったが,その後サイトメガロウイルス(CMV)再活性化を認め,膵外分泌酵素上昇と内分泌機能低下(Amy 1796 U/L,CPR 2.6 ng/mL)とともにCTで膵腫大を認めた.改善していた血糖が再上昇しインスリン持続静注に変更した.抗ウイルス薬を開始し,ステロイド投与は継続した.CMVの沈静化とともに,外分泌酵素は低下し内分泌機能も回復した(Amy 179 U/L,CPR 7.4 ng/mL).CMV再活性化による炎症は膵外分泌腺・内分泌腺にも波及したが,抗ウイルス薬と継続していたステロイド投与が膵局所においても炎症の終息に寄与した可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 63 (7), 451-457, 2020-07-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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