術前把握できなかった甲状腺内異物を伴った甲状腺乳頭癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Papillary Thyroid Carcinoma with an Unexpected Foreign Body
  • 症例 術前把握できなかった甲状腺内異物を伴った甲状腺乳頭癌の1例
  • ショウレイ ジュツゼン ハアク デキナカッタ コウジョウセン ナイ イブツ オ トモナッタ コウジョウセン ニュウトウガン ノ 1レイ

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説明

<p>甲状腺は他臓器と交通がないため,甲状腺内異物の発生は非常に稀である.今回,術前に異物の存在が予想できず,術後に甲状腺内異物を認めた経験をしたため報告する.症例は46歳の男性で,15年前より甲状腺腫瘤を指摘されていた.重症潰瘍性大腸炎のため入院した際に,再度甲状腺腫瘤を指摘された.頸部USで甲状腺右葉に粗大石灰化を伴う辺縁不整な低エコー腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診にて甲状腺乳頭癌と診断した.cT2N0M0の診断にて甲状腺右葉切除,中央領域郭清術を行った.検体に割を入れた際,内部より針様の異物を認めた.病理診断は甲状腺乳頭癌.異物は針生検に使用される器械の内針のような形態をしていた.本人に確認したところ,15年前に甲状腺の針生検を受けたようだった.甲状腺隣接臓器の気管,食道,総頸動脈などに針が穿通する可能性を有する非常に危険な状態であった.術前に甲状腺腫瘍の石灰化と判断した部位が異物を反映していたと考えられた.</p>

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参考文献 (16)*注記

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