ベイズ推定を用いたMIMOSYSの精度改善の検討

DOI
  • 高野 毅
    東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 PST株式会社
  • 篠原 修二
    東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座
  • 光吉 俊二
    東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座
  • 大宮 康宏
    PST株式会社
  • 樋口 政和
    東京大学 大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 音声病態分析工学講座
  • 中村 光晃
    テキサス大学サンアントニオ校
  • 斉藤 拓
    防衛医科大学校 精神科学講座
  • 吉野 相英
    防衛医科大学校 精神科学講座
  • 戸田 裕之
    防衛医科大学校 精神科学講座
  • 徳野 慎一
    東京大学 大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 音声病態分析工学講座 神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーションスクール

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Improving Accuracy of MIMOSYS by Bayesian Inference.

抄録

<p>ストレス過多な現代において,メンタルヘルス不調の早期発見が課題となっている.これまで著者らは音声から人のメンタルヘルス状態を推定する技術MIMOSYS(Mind Monitoring System)を開発してきた.この技術には非侵襲であり手軽に行えるという利点がある.一方でMIMOSYSの短期指標である元気圧にはメンタルヘルス状態の推定の特異度が低いという性質があり,その改善のために14日間の元気圧の平均値と変動から計算される心の活量値という指標を開発した経緯がある.本研究ではMIMOSYSにベイズ統計学の考え方を組み合わせ,短期間の音声データからメンタルヘルス状態を推定できる可能性を検討した.防衛医科大学校病院において大うつ病性障害として診断された患者に対し,ハミルトンうつ病尺度(HAM-D)による重症度の確認と,定型文の読み上げという形で音声データ収集を行った.その後HAM-Dのスコアから被験者を軽症者と重症者に分類し,それぞれの音声から発話ごとの元気圧の尤度分布を求めた.発話ごとの尤度分布とベイズの定理を用いて被験者の発話ごとの元気圧から事後確率を計算することで重症者である確率を推定した.その結果,元気圧ではAUC 0.66だった軽症者と重症者の分離能力が0.89へと向上した.この結果から短期間の音声データからも高い精度でうつ病患者の軽症者と重症者を分離することができ,従来の指標よりメンタル不調者を早期発見できる可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual58 (Abstract), 230-230, 2020

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250134349568
  • NII論文ID
    130007884976
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual58.230
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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