左冠動脈前下行枝における心収縮に伴う冠微小循環変動を考慮した模擬循環回路の開発

DOI
  • 池原 大烈
    早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 共同先端生命医科学専攻
  • 坪子 侑佑
    早稲田大学理工学術院総合研究所
  • 松原 海斗
    早稲田大学大学院創造理工学研究科総合機械工学専攻
  • 服部 薫
    早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 共同先端生命医科学専攻
  • 新浪 博士
    東京女子医科大学 心臓血管外科
  • 岩崎 清隆
    早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 共同先端生命医科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Development of the circulatory simulator for generating coronary hemodynamics with microcirculation

説明

<p>冠動脈病変の治療法として冠動脈バイパス術(CABG)と経皮的冠動脈形成術(PCI)があり,複雑な狭窄性病変に関してはCABGが長期予後で優れている.要因として,CABGは冠動脈の分枝血流・微小循環障害を起こさずPCIでは治療困難な病変に治療が行える点が挙げられているが,それらを定量的に示す報告は少ない.当施設では,両治療法が左冠動脈に及ぼすコンプライアンス変化と血行力学的差異の実験的検証のために対角枝,細動脈,微小血管を有し,冠循環の微小循環動態を再現可能な拍動循環回路の開発を進めている.本研究では弾性左冠動脈前下行枝モデルに対して,冠末梢血管の抵抗変動を制御できる機構の開発を試みた.</p><p> ローラーポンプ,シリコーン製左冠動脈前下行枝および微小血管モデル,コンプライアンス要素,逆止弁から成る,左冠動脈の血行動態を創出する一巡閉鎖回路を構築した.左冠動脈モデル微小循環部の外部からの圧迫には直動機構を採用し,ローラーポンプの駆動に対して同期あるいは位相制御することで心収縮時に起こる冠末梢血管の抵抗上昇を再現した.</p><p> 結果,冠動脈特有の二峰性で拡張期優位の流量波形,圧力130/80(96) mmHg,平均流量370 ml/minとなり,冠循環の局所血圧血流環境を創出することに成功した.今後,冠末梢血管抵抗制御機構の改良も含め循環シミュレータの高度化を進め,CABGとPCIにおける治療効果の血行力学的差異の定量評価を実施する.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual58 (Abstract), 391-391, 2020

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250134428416
  • NII論文ID
    130007885079
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual58.391
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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