デンマークにおける労働時間の柔軟化と組合規制

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タイトル別名
  • Flexible Working Time and Union Control in Denmark

抄録

<p> 労使自治が強く尊重されるデンマークでは,労働時間も産業別職業別の労働協約で決定される。現行の週37時間制に移行した時期は1980年代後半であったが,賃金引き上げ率の抑制と労働時間の短縮という労使の妥協のなかで実現した。1990年代に入って,団体交渉の分権化が進展し,労働時間も職場の交渉で決定される余地が拡大した。労働組合の集団的な規制と個別労働時間の決定との関係を金属産業の労働協約をもとに明らかにした。そこでは残業回避の努力義務が明記されるとともに,残業決定の手続きが厳格に定められていること,平均労働時間を算定する期間を延長することで柔軟化していることを確認した。また,フレクシキュリティのマトリックスの「組み合わせ保障」の領域として育児休業制度および職業訓練制度を指摘した。団体交渉の内容を分析することで,育児休業制度が生成し・展開するプロセスを明らかにした。さらに,ホワイトカラーの労働時間管理について,集団的規制はほとんどないが,週37時間が参照すべき基準となっていることを明らかにした。</p>

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 10 (1), 62-74, 2018-06-30

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250134520064
  • NII論文ID
    130007885303
  • DOI
    10.24533/spls.10.1_62
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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