嚥下音に及ぼす嚥下調整食の温度の影響に関する定量評価の試み

DOI
  • 三堀 雅弥
    桐蔭横浜大学大学院 工学研究科 医用工学専攻
  • 奥 知子
    桐蔭横浜大学 医用工学部 臨床工学科
  • 山内 忍
    桐蔭横浜大学 医用工学部 臨床工学科
  • 本橋 由香
    桐蔭横浜大学 医用工学部 臨床工学科
  • 佐藤 敏夫
    桐蔭横浜大学大学院 工学研究科 医用工学専攻 桐蔭横浜大学 医用工学部 臨床工学科
  • 阿岸 鉄三
    東京女子医科大学 名誉教授

書誌事項

タイトル別名
  • Quantitative evaluation on the effect of temperature of swallow-adjusted diet on swallowing sound

抄録

<p>生体音分析装置Bio Sound Analyzerを用いて測定した嚥下音をウェーブレット変換することによって定量的かつリアルタイムで嚥下機能を評価するための新しいスクリーニング検査方法を提案している。これまでの嚥下音測定と嚥下造影画像の同時測定結果から、嚥下音は3つの音(第1音、第2音、第3音)によって構成されていて、これらの時間的位置関係を表すSwallowing Function Parameter (SFP)を導入することでより嚥下機能が判定することができるようになった。これまでに被験者の喉表面の輪状軟骨直下気管外側上に加速度センサを装着して嚥下音を採取したが、第2音は常に明瞭に得られるものの、第1音と第3音が得られないか、あるいは得られても振幅が極端に小さいケースが散見され、嚥下音測定の安定性と再現性に問題があった。そこで嚥下音を常に安定して採取するための方法を検討した後、温度の異なる水ゼリーが嚥下機能に及ぼす影響について調査した。その結果、第1音と第3音採取用センサ装着位置は舌骨直上が妥当であり、性差に関わらず嚥下音を良好に採取することができるようになった。また、温度の異なる水ゼリーのテクスチャー試験を実施し、温度の違いがゼリー食の物性と嚥下動態に及ぼす影響を調査したところ、SFP値は20℃の水ゼリー嚥下時に最も低下したことから、嚥下障害患者にゼリー食を用いる際には、温度の違いによる硬さの変化を十分に考慮する必要があると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual58 (Proc), 602-603, 2020

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390848250134556800
  • NII論文ID
    130007885289
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual58.602
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ