P-1-F05 言語的コミュニケーションをとることが困難な患者との関わり

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説明

はじめに A氏は気管切開をされており、A氏の表情や指の動きだけでは要望を理解できない場面があった。そこでどうすればA氏が自分の欲求や思いを伝えやすくなり、私たちもA氏のニードを理解しやすくなるのかを考え、コミュニケーションツールの検討に取り組んだ。 目的 気管切開をしている患者にとって適切なコミュニケーションツールは何かを明らかにする。 方法 研究期間:平成27年5月から平成28年2月 対象:A氏 30歳代 男性  現病歴:脳性麻痺 方法:1)文字理解度レベル検査の実施 2)使用頻度の高いジェスチャーを優先しジェスチャー表を作成 3)B病棟に配属されて1年未満の看護師と保育士計6名にジェスチャー表活用の前後でアンケート実施 4)ジェスチャー表使用前後のA氏の感想を聴取 5)意思伝達操作機の試行 結果 文字の理解度はひらがな2文字まで理解可能であった。アンケート対象者はA氏のジェスチャーを一度で理解することは難しいが、1カ月間ジェスチャー表を使用した結果「ジェスチャー表を使用してA氏の伝えたいことが理解できた」と全員からアンケートの回答があった。A氏からも新しいジェスチャーの表出が見られ、四肢の緊張こわばりなどの身体的症状が減少した。意思伝達装置の試行結果として、ひらがなの文字(50音)の認識は確認できたが、操作については誤動作が多かった。 考察 ジェスチャー表を活用することでA氏との会話の内容の幅が広がり、A氏のコミュニケーションのニードが充足することにつながると考える。 結論 ジェスチャー表を活用することでA氏の伝えたいことが理解できるようになり、円滑なコミュニケーションが図れたことから、ジェスチャー表はA氏に適したコミュニケーションツールであることがわかった。

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