薬剤性無月経

書誌事項

タイトル別名
  • Drug-induced Amenorrhea
  • ヤクザイセイ ムゲッケイ

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説明

<p>続発性無月経は月経の3カ月以上の停止として定義される. 薬剤に起因する続発性無月経としては, 治療目的で月経を停止させるものを除くと, 薬剤性高プロラクチン (PRL) 血症による視床下部性無月経と, 抗がん剤などによる卵巣性無月経が挙げられる.</p><p>高PRL血症をきたす薬剤としては, ドパミン拮抗薬, 三環系抗うつ薬など向精神薬に分類されるものが多く含まれる. 薬剤性高PRL血症による無月経の治療の原則は, 減薬または変薬であるため, その必要性や方法などについて患者の状態に応じ, 担当科と産婦人科で連携し, 個別的に対応する必要がある.</p><p>抗がん剤による無月経は, アルキル化薬などにより生じることが知られている. 薬剤の影響が非可逆性であることもあり, その場合は妊孕能の消失と, エストロゲンレベルの低下に伴う短期的および長期的影響が問題となる. そのため状況に応じ, 抗がん剤治療前の卵子凍結や, QOL維持のためのホルモン補充療法が行われている.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 60 (6), 509-514, 2020

    一般社団法人 日本心身医学会

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