尼崎運河でのハゼ科チチブの人工魚礁創出実験

書誌事項

タイトル別名
  • FIELD EXPERIMENT TO CREATE AN ARTIFICIAL FISH REEF FOR <i>Tridentiger obscurus</i> IN THE AMAGASAKI CANAL

抄録

<p> 過栄養化した尼崎運河の環境を改善するために,付着藻類から上位の生物にまで及ぶ食物網の経路を創出することを考えた.本研究では,まずその端緒の検討として,底生魚のハゼ科チチブの保全を目的にした魚礁の構造と設置方法を把握することを目的に現地実験を行った.3種類の生息場をつくり,酸素不足が生じない水面付近の上層,中層,下層の3つの水深に沈設した.</p><p> その結果,水底を選好するチチブであったが,夏期にはチチブは上層に移動,蝟集し,7月には下層の構造物にはチチブは確認できなくなった.ただし,夏期でも下層のDOは忌避行動をするようなレベルではなく,DOの他にも水温などが複合的に作用していることが示唆された.また構造物に独立した空隙を設けるとチチブの種内攻撃機会は減少し,小型のチチブも共に生息可能となることが推察された.</p>

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参考文献 (1)*注記

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