薬剤性高プロラクチン血症に伴った休止期脱毛症の1例

  • 野々垣 香織
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 皮膚科
  • 植木 理恵
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター 皮膚科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of telogen effluvium associated with drug-induced hyperprolactinemia.
  • ヤクザイセイ コウプロラクチン ケッショウ ニ トモナッタ キュウシキ ダツモウショウ ノ 1レイ

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説明

77歳女.初診約2年前から認知症に対しオランザピン,バルプロ酸,トラゾドンを内服していた.初診1ヶ月前よりリスペリドンが追加された後,次第に枕元に多数毛髪が付着するようになり,毛髪量が減少したことを家族が気付き紹介受診した.初診時全頭にびまん性の脱毛,易抜毛性があり,病的毛はみられなかった.生検では退行期から休止期と思われる毛包がやや増加し,炎症細胞浸潤は無かった.また,血清プロラクチン(PRL)が137.7 ng/mlと高値であった.以上より薬剤性の高PRL血症による休止期脱毛症を考えた.リスペリドンを漸減中止したところ,初診3ヶ月後にはPRL 67.1 ng/mlに低下するとともに,脱毛は軽快し毛髪量が視診上増加した.薬剤性休止期脱毛は気が付き難く,びまん性に脱毛する場合鑑別に加えるのが望ましいと考えた.

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参考文献 (6)*注記

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