サクラてんぐ巣病の防除法の確立をめざして—これまでの知見と今後の展望—

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タイトル別名
  • Toward the establishment of control system on witches' broom of cherry—past knowledge and future direction of the study—
  • サクラてんぐ巣病の防除法の確立をめざして--これまでの知見と今後の展望
  • サクラ テングスビョウ ノ ボウジョホウ ノ カクリツ オ メザシテ コレマデ ノ チケン ト コンゴ ノ テンボウ

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説明

サクラてんぐ巣病に関する既往研究を概観し,本病の発生機序に関する基礎的知見や防除体系に関する応用的な試みを整理した.サクラてんぐ巣病は,枝の一部から湾曲または直立した細枝を多数形成する病害である.本病に感染したサクラは次第に樹勢が弱るため,本病は日本のサクラが衰退する要因の一つとなっている.開花期,罹病葉には病原菌Taphrina wiesneriの子のう胞子が形成され,これが飛散することで本病が伝播すると考えられている.本病に感受性が高い品種とされているソメイヨシノに対して,本菌の接種試験が行われてきたが,高率で発病したという報告はない.また,薬剤散布による防除法が検討されてきたが実用化には至っておらず,現在も罹病枝を切除するという外科的処置が取られている.以上を踏まえ,今後は分子生物学的手法による病原菌の認識とその分布様式の解明が本病の防除体系構築の基盤になるものと考えられる.

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