北アルプス鹿島槍ヶ岳カクネ里における暖候期の気象観測

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タイトル別名
  • Meteorological observation at the Kakunezato, Mt. Kashima-yarigatake in the Japanese Alps
  • キタアルプス カシマ ヤリガタケ カクネ サト ニ オケル ダンコウキ ノ キショウ カンソク

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抄録

カクネ里の最下流部である標高1530m地点で、2016年6月19日から10月20日まで気象観測を実施した。カクネ里における観測期間中の降雨日数率は63%であり、標高が同程度である上高地明神(標高:1530m)と乗鞍高原休暇村(標高:1590m)における同期間の降雨日数率(それぞれ54%と52%)に比べて高い。カクネ里における日平均風向は、ほとんどが西南西の風であり、気温が相対的に高い低標高地からの風系が少ないことを示し、雪氷体の維持には有利である。晴天で一般風が弱い日には、カクネ里では明瞭な山谷風が形成される。雪氷体の消耗(融解)量を左右する日射量と気温については、上高地明神・乗鞍高原休暇村に比べてカクネ里では相対的に値が小さい。このことから、カクネ里では、雪氷体の消耗量が少ないと考えることができ、このことが氷河としての成立を可能にしていると言える。

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