ポット試験で,根粒超着生ダイズ(<i>Glycine max</i> L. En-b0-1)の低収量の原因は,窒素固定活性ではないと示唆された

  • 濱口 秀生
    神戸大学大学院農学研究科 農研機構西日本農業研究センター
  • 武田 旭永
    神戸大学大学院農学研究科 吹田市役所
  • 杉本 敏男
    神戸大学大学院農学研究科 和歌山大学食農総合研究所
  • 東 哲司
    神戸大学大学院農学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Pot experiment suggests that the low yields of a super-nodulating soybean (<i>Glycine max</i> L. En-b0-1) was not caused by N<sub>2</sub> fixation activity of nodules itself.
  • Pot experiment suggests that the low yields of a super-nodulating soybean (Glycine max L. En-b0-1) was not caused by N₂ fixation activity of nodules itself

この論文をさがす

抄録

ダイズの収量を増やす目的で育成された根粒着生数が非常に多い超着生ダイズ系統(SN)の種子収量は親の普通の根粒着生数の親品種よりもかなり劣っている.このSNの普通品種に比べて低い収量の原因は不明であった.我々は,通常着生のエンレイとそれから育成された非着生系系統のEn1282,超着生系統のEn-b0-1を土壌窒素濃度の異なる2つの条件,すなわち,根粒着生が抑制される土壌窒素濃度の高い条件と根粒着生が促進される土壌窒素濃度の低い条件で根域を制限した小さなポットでの栽培を行った.それらの登熟途中の導管液中の窒素化合物濃度を測定し窒素固定活性を推定するとともに完熟時の植物個体当たりの種子重量などを比較した.高濃度の土壌窒素は窒素固定活性を阻害したが,3系統の植物個体当たりの種子重量は,低窒素土壌でのEn1282以外に差は見られず,En-b0-1とEnreiでは窒素固定活性の多寡は収量に影響しなかった.En-b0-1の根粒着生量の多さが低収量の原因ではないことが示唆された.

収録刊行物

  • 作物研究

    作物研究 65 (0), 23-29, 2020

    近畿作物・育種研究会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ