中小企業の資金調達の現状から見る開示情報の信頼性保証

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  • Reliability Assurance of disclosing Information Seen through the Present Situation of SMEs Financing
  • チュウショウ キギョウ ノ シキン チョウタツ ノ ゲンジョウ カラ ミル カイジ ジョウホウ ノ シンライセイ ホショウ

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抄録

<p> 資金は,企業の成長および継続的な発展に必要不可欠な存在である。資金調達に関する問題は,特に創業期や成長初期にある中小企業にとって,最も重要な課題であると認識されている。</p> <p> 近年,中小企業を取り巻く金融環境が全般的に改善しているにもかかわらず,中小企業の資金繰りが依然として厳しい状況にあるといわれている。日本の中小企業は,自己資本比率が低く,借入比率が高いことから,金融機関からの借入への依存度が高いという特徴がある。一方,金融環境の変化に伴って,中小企業は事業活動に必要な資金を確保するために,伝統的な銀行借入以外の新たな資金調達方法をも試みている動きが見られている。</p> <p> 上述のような現状を踏まえ,本稿は,OECD(経済協力開発機構)が2015 年10 月に公表した「中小企業と起業家金融の新たなアプローチ:金融商品の範囲を広げること」を用いて,中小企業に適用しているあるいは適用する可能性のある資金調達方法を紹介する。また,資金調達方法の多様化のもとで,財務情報だけではなく,非財務情報をも含めた情報の開示の重要性を強調したうえで,情報開示に伴う信頼性保証の問題について,制度設計の観点から1 つの方向性を提言することを目的としている。</p>

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