看護職に求められる薬理学の安全に関する知識

  • 赤瀬 智子
    横浜市立大学大学院医学研究科看護生命科学/周麻酔期看護学分野 教授

Description

<p>日本の医療事故の報告件数 ( 日本医療機能評価機構 ) は、2017 年は 3,598 件あり、10 年以上その報告が増加しています。その医療事故の当事者は看護 師が1番多く、特に経験年数 5 年以内の看護師が引き起こしています。事故内 容としては、治療や処置に関する事項 26.7%、薬剤そのものに関する事項 8.6% であり、その発生場面は、静脈注射>内服>末梢静脈点滴の順で発生が多く、 その他、薬の過剰投与、薬剤の勘違い、患者の勘違い、投与方法の勘違い、 確認・観察怠った、連携できていなかった、技術・手技の未熟、知識の不足な どが挙げられています。ヒヤリ・ハットにおいても、1 年間に31,218 件 (2017 年 ) の報告があります。その内、薬剤に直接関する事項は41.4%と1 番多く、ヒヤリ・ハッ トの当事者も看護師が1番多いです。つまり、看護師による薬の医療事故、事 例が非常に多いという実態があります。</p><p>薬の作用機序や薬物動態についてどのくらい理解していますか。薬の知識が つくと患者の身体的状態によって治療の効果や起こり得る副作用の予測がつき、 何をいつ観察したらよいか、何を注意したらよいかがよりみえてきます。また、薬 の使い方や投与方法、つまり与薬の科学的根拠もわかってきます。今回はよく使 われる薬を例にとって看護職に求められる薬理学の安全に関するの知識につい て一緒に考えてみたいと思います。</p><p>患者にとっての最適な治療とは何でしょうか。看護職は患者の生活からも薬の 効果を考え、適切な与薬が提案できたらよりよいと考えます。</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390848647564333056
  • NII Article ID
    130007925210
  • DOI
    10.34597/npc.2019.1.0_s1-3
  • ISSN
    24358460
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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