心臓電気生理学的検査で房室伝導障害の関与を否定し得た虚血に伴う運動誘発性房室ブロックの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of exercise-induced atrioventricular(AV) block associated with ischemia and without the underlying AV conduction disorder documented by the electrophysiological study

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説明

<p> 症例は81歳,男性.4年前に労作性狭心症で左冠動脈回旋枝(AHA分類#11 90%,#12 75%)に対して経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行した.その際に#13 100%も認めたが,慢性完全閉塞であり,治療後の運動負荷試験で陰性であることから経過観察となっていた.今回治療4年後の定期フォローアップのために運動負荷試験を施行したところST低下を伴う完全房室ブロックを認めたことから精査目的で入院となった.冠動脈造影検査では右冠動脈遠位部に新規の高度狭窄(#4AV 99%)を認め,同部位に対してPCIを施行した.PCI後に施行した運動負荷試験では房室ブロックやST低下は認めなかった.また後日,心臓電気生理学的検査(EPS)を施行したところ房室伝導能には異常なく,虚血に伴う運動誘発性房室ブロックと診断した.ペースメーカ挿入なしで経過観察とし,無症状で経過している.PCI施行後の運動負荷試験で房室ブロックの改善を認め,EPSも併せて施行し虚血に伴う運動誘発性房室ブロックと証明し得た1例を経験した.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 51 (8), 840-845, 2019-08-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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