巨大粘液栓を伴った肺粘表皮癌の1例

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  • A Case of Mucoepidermoid Carcinoma of the Lung with Massive Mucoid Impaction

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抄録

<p>背景.粘表皮癌は比較的稀な肺腫瘍であり,中でも粘液栓を伴った粘表皮癌は報告例も少ない.症例.症例は27歳,女性.左胸痛,咳嗽,喀痰が出現し,近医を受診.肺炎の診断で抗菌薬を開始されるも改善なく,胸部CTでは左主気管支の完全閉塞を認め,当科入院となった.全身麻酔下で気管支鏡検査を施行するも左主気管支は粘液栓が連なって存在しており,診断に耐えうる検体採取が困難であった.2回目の気管支鏡検査では迅速病理診断を併用し,粘表皮癌cT2aN0M0 stage IBと診断された.腫瘍の存在部位より左肺全摘も考慮されたが,術前に低悪性度な粘表皮癌と診断がついていたことで左下葉切除術+気管支形成術が施行され,腫瘍は完全切除され左肺全摘が回避された.結論.粘液栓を伴った粘表皮癌においては迅速病理診断を併用した気管支鏡検査が有用であり,本症例のように術前に確定診断をつけることで肺機能を温存した治療も検討される.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 42 (5), 441-447, 2020-09-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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