農産物における地域ブランドの進展と課題

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Regional Brand on Agricultural Products and Its Issues
  • ノウサンブツ ニ オケル チイキ ブランド ノ シンテン ト カダイ

この論文をさがす

抄録

<p>本稿の目的は,農産物における地域ブランド化の現状を考察することである。水産物に比べ,農産物は品種・栽培それぞれの段階で製品の品質をコントロールしやすいこと,複数品目を組み合わせた類としての地域ブランド化が実態として多いという特徴を有する。そのため細かな製品戦略を設定しながら多様な地域ブランド化の取り組みが展開しているが,消費者・実需者の評価を獲得していない自称地域ブランドも数多い。また農産物地域ブランドは産地の立地する地域社会の魅力や特殊性もブランドを形成する重要な要因となっている。しかし住民が主観的にわが地域と了解するコミュニティと実際の居住地との間にズレが生じている。このことが産地の立地する地域が期待する住民および一般消費者の地域ブランドへの評価と実際の評価との乖離を生じさせている。また地域団体商標制度に対する農産物産地の期待は高く,出願が相次いでいるが,実際の登録率は低い。最後に京野菜を対象とするケーススタディを行った。地道な販売促進活動の重要性,試験研究機関がブランド管理に果たす役割などについて整理を行うとともに,ブランド化の成果として売上額の漸増と一部産地の経営複合化の進展を指摘した。</p>

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ