障害受容・障害適応を医療者は今どう位置づけるべきか

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  • 先崎 章
    東京福祉大学社会福祉学部 埼玉県総合リハビリテーションセンター神経科

書誌事項

タイトル別名
  • Acceptance of Disability and Adjustment:How Should We Think of Them Now?
  • 障害受容・障害適応を医療者は今どう位置づけるべきか : 本特集企画に込めた思いも含めて
  • ショウガイ ジュヨウ ・ ショウガイ テキオウ オ イリョウシャ ワ イマ ドウ イチズケル ベキ カ : ホン トクシュウ キカク ニ コメタ オモイ モ フクメテ
  • ―本特集企画に込めた思いも含めて―

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抄録

<p>筆者はかつて臨床経験から,こころ(受容)には必要以上に触れず「適応」を助けることを志向し,多職種チームを有効に機能させるための方策を述べた.障害受容を正面からは取り上げなくなっている理由として,共感疲労や誤った解釈の回避,「適応」を扱うほうが外的で明確なこと,レジリエンスやコーピングといった外来語の導入,当事者が自らを語る機会が増えたこと,がある.医療者の捉え方や役割を明らかにするという視点での研究は取り組みやすく,また理解しやすい.</p><p>こころの問題は感染症の対策に押しつぶされてはならない.障害と共にある生活や社会参加が,ある程度のレベルで可能な社会でなければ,真の障害受容はあり得ない.障害を受けたことによる心理的な困難は,目の前にある感染症の脅威にも劣らない.活動は賢明な機会主義(enlightened opportunism)の理念に則り脈々と行い,ボトムアップ的な多様な活動体と協同すべきである.そのために3つの提言をした.障害受容の概念の保持,概念を明らかにする努力,臨床や教育の場での普及,議論の場と機会の捻出,この分野の論点を深める後進の育成が,日本リハビリテーション医学会に必要である.</p>

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