当科における小児膵Solid pseudopapillary neoplasmに対する手術成績の検討

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  • Surgical outcomes for solid pseudopapillary neoplasm of the pancreas in children

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<p>【目的】膵solid pseudopapillary neoplasm(SPN)は若年女性に多くみられる比較的稀な低悪性度腫瘍で,外科的切除により良好な予後が得られる疾患である.今回,当科におけるSPNの手術成績について検討した.【対象と方法】1990年4月から2019年10月までに当科で外科的治療を施行したSPNを対象とし,患者背景,腫瘍発生部位,治療経過,転帰について診療録をもとに後方視的に検討した.【結果】症例は6例で全例女児,年齢は6歳–14歳(中央値10.5歳),発生部位は膵尾部4例,膵体部2例だった.手術術式は,脾合併膵体尾部切除術4例,腫瘍核出術2例が施行された.術後合併症は,術中出血により術後輸血を必要とした貧血1例,保存的に治療したgrade Bの術後膵液瘻(postoperative pancreatic fistula, POPF)を2例に認めた.術後在院日数は8日–28日(中央値14.5日),観察期間は1か月–122か月(中央値50.0か月)で全例無再発生存中である.【考察】これまでの報告と同様,女児に多くみられ予後は良好であった.腫瘍が脾門部に進展している場合は脾動静脈との癒着が高度で剥離が困難なため全例で脾合併切除を施行したが,腹腔鏡下に脾臓周囲の剥離を行うことは有用だった.【結語】当科では膵SPNを6例経験し経過は良好だった.</p>

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