臨書の研究─書道熟達者の視線探索─

書誌事項

タイトル別名
  • The Study of Rinsho: Gaze behavior of expert calligrapher that specific to ecological constlaints
  • 臨書の研究 : 書道熟達者の視線探索
  • リンショ ノ ケンキュウ : ショドウ ジュクタツシャ ノ シセン タンサク

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抄録

<p><tt>本研究は,書道熟達者</tt>1 <tt>名が</tt>16 <tt>試行を通じて「臨書」を制作するケーススタディである.本稿では臨書中の書家の視線探索に焦点を当てた.臨書と見本を交互に観察する書家の視線探索を検討した結果,頭部旋回の数は </tt>1 <tt>文字あたり平均</tt>50.33 <tt>回(</tt>SD23.88<tt>),旋回間隔は</tt>1 <tt>文字平均</tt>0.90 <tt>秒</tt>/1 <tt>回(</tt>SD0.43 <tt>秒)と高い生起頻度を継続しており,なおかつ,旋回方向は,紙面上の位置に対して適応的だった.外的制約に対する感受性と,試行を通した一貫性を両立させた書家の視線探索は,安定性と柔軟性をあわせもつ,高度な熟達を示している.このような書家の特徴的な視覚的探索には,一度かいた線を書きなおさず,紙面に墨汁が流出しないよう,筆尖を一定の</tt><tt>速度で動かしつづけなければならないという,書に特有な生態学的制約がかかわっていると考えられる. </tt></p>

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