ARMS:日常臨床適用への課題 専門外来の立場から
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- 桂 雅宏
- 東北大学病院精神科
書誌事項
- タイトル別名
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- Application of At-Risk Mental State (ARMS) to clinical practice: from the perspective of a Japanese specialized clinic
抄録
アットリスク精神状態(At-Risk Mental State:ARMS)の概念が、精神病性疾患の発症予測や予防に役立つことが示されてから久しく時が経つ。しかし、専門外来で診療を行う立場からは、先行研究の知見や専門外来で得られたノウハウが、日常臨床の現場には十分活かされていないと感じられる。 その理由は、ARMSの概念や診断、診療指針等の知識が十分に普及していないことと、ARMSに対する理想的な診療の実践が難しいこととに大別できるかもしれない。前者は、ARMSが看過される、逆に症状が過大評価され、過剰な治療が施される、精神病以外の併存症や機能障害への対応が疎かになるなどの問題につながっていく。後者には、診療時間が限られ薬物療法偏重となり易いこと、適切な診断を行うのが難しいこと、認知行動療法を行う治療者や体制が準備できないことなどの問題が含まれる。 これらの課題を解決するために、ARMSの臨床研究や専門診療に携わる者は、自らが診療を行うのに留まらず、より明確な形でARMSの実例や診療指針を呈示する、敷居の低いコンサルト体制を整える、診断・治療技術向上のための訓練の機会を提供するなど、ARMSを普及していくための試みが求められる。一方、一般診療の現場では、ARMSと精神病の診療方針の違いよく認識した上で、縦断的にも横断的にも多様性をもつARMSに柔軟に対応する姿勢を保ち、心理社会療法を中心に据えた治療を多職種で提供すること、日常臨床に取り入れられる工夫から重ねていくことが大切である。
収録刊行物
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- 予防精神医学
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予防精神医学 1 (1), 53-67, 2016
日本精神保健・予防学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390849376476813568
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- NII論文ID
- 130007949531
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- ISSN
- 24334499
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可