耳下腺に発生したunclassified sarcomaの1例

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タイトル別名
  • A case of unclassified sarcoma of the parotid gland

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抄録

頭頸部領域に発生する肉腫は非常にまれな疾患であり,その中でも,唾液腺に発生する肉腫はさらにまれと思われる。我々は,耳下腺に発生した肉腫症例を経験した。症例は,86歳女性。左頸部の無痛性腫瘤を自覚し当科を受診した。受診時,左耳下部に約40mmの,弾性硬で可動性良好な腫瘤を認めた。顔面神経麻痺は認めなかった。頸部造影MRIで,左耳下腺腫瘍と診断し,全身麻酔下に左耳下腺腫瘍摘出術を施行した。腫瘍と胸鎖乳突筋は癒着しており,筋肉は一部合併切除した。顔面神経は温存し,術後の顔面神経麻痺も認めなかった。術後の病理組織検査では,肉腫であることは確定したが,種々の免疫染色を行っても腫瘍細胞の起源が同定されず,unclassified sarcomaと診断された。術後のPET検査では明らかな転移巣は認めなかった。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 46 (4), 397-400, 2020

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (8)*注記

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