データ流通エコシステムにおけるプラットフォームを媒介とした価値創造

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  • 清水 たくみ
    早稲田大学大学院経営管理研究科 准教授
  • 早矢仕 晃章
    東京大学大学院工学系研究科 システム創成学専攻 助教
  • 深見 嘉明
    慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任准教授 学習院大学経済学部 特別客員教授
  • 松島 裕康
    滋賀大学 データサイエンス教育研究センター 准教授
  • 坂地 泰紀
    東京大学大学院工学系研究科 システム創成学専攻 特任講師
  • 大澤 幸生
    東京大学大学院工学系研究科 システム創成学専攻 教授

書誌事項

タイトル別名
  • Value Creation through Digital Platforms in Data Exchange Ecosystems
  • データ リュウツウ エコ システム ニ オケル プラットフォーム オ バイカイ ト シタ カチ ソウゾウ

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説明

<p>様々な産業・経済システムのデジタル化が進展する中、デジタルデータを活用した価値創造への期待が高まっている。その流れを受けて、異なる事業者間でデータを交換・取引するデータ流通エコシステムが萌芽し、新たなイノベーションの源泉として注目され始めている。このようにデータ流通を通じた価値創造への関心は高まっているものの、法制度設計と技術仕様が複雑に絡み合うことから、データ流通エコシステム全体を包括的に捉えた議論が進んでいるとは言い難い。加えて、データ流通プラットフォームの仕組みやサービスについてのシステム面・ビジネス面に絞られた形での議論は存在する一方で、実際に取り扱われるデータ自体の特徴やデータ間の関係性などのデータ流通メカニズムについて十分には明らかになっていない。そこで本論文では、データ流通プラットフォームにおけるデータ連携・相互作用メカニズムを、実証分析に基づいて検討した。プラットフォーム上のデータネットワーク分析から、1) 連携可能性を高めるデータの特徴、2) 連携を促進するデータ共有条件、及び3) データネットワーク構造の特徴に関する知見を得た。具体的には、「時間」や「場所」などに関わる変数が多様な異種データの連携可能性を高めることが示された。また、秘匿データと共有可能データの混在が密なネットワーク構造の構成を促し、異分野間データ連携の成立可能性を高めることが明らかになった。加えて、データネットワークは人間関係と似た「局所的に密、大域的に疎」な構造をしており、疎の部分を埋めるデータを提供することで、異分野をつなげるデータ活用を活性化できる可能性が示唆された。これら分析結果をもとに、データ流通プラットフォームの設計・運営及びデータエコノミー推進への示唆と課題を議論する。</p>

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