がん選択性と治療効果向上を志向した電子移動光増感剤

DOI Web Site 参考文献26件 オープンアクセス
  • 平川 和貴
    静岡大学 工学部 化学バイオ工学科 静岡大学 創造科学技術大学院 ナノマテリアル部門 光・ナノ物質機能専攻
  • 岡崎 茂俊
    浜松医科大学 光尖端医学教育研究センター
  • 村上 浩雄
    浜松医科大学 医学部 産婦人科学講座
  • 金山 尚裕
    浜松医科大学 医学部 産婦人科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Cancer-Selective and Effective Photosensitizers through Electron Transfer Mechanism

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抄録

<p>光線力学的療法は,低侵襲ながん治療法として優れているが,光増感剤の改良により,がん選択性と治療効果をさらに向上できる可能性がある.従来のポルフィリン光増感剤は,一重項酸素生成による生体分子の酸化損傷を作用機序としているが,低酸素条件でも活性を維持できる電子移動機構に着目し,ポルフィリンのリン錯体による生体分子の光損傷を評価した研究例を紹介する.ポルフィリンのリン錯体は,DNA,タンパク質(酵素を含む),葉酸,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを可視光照射下,電子移動を介して酸化損傷した.さらに,ポルフィリンのリン錯体の中には,培養細胞レベルでがん選択性を示す誘導体が確認された.また,担癌マウスによる実験で高い腫瘍選択性を示す分子も明らかになった.</p>

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