多発性付着部炎の1 例 ─小児リウマチ性疾患における付着部炎の評価の重要性─

書誌事項

タイトル別名
  • A case of polyenthesitis:Clinical significance to assess the enthesitis in pediatric rheumatic diseases
  • 症例報告 多発性付着部炎の1例 : 小児リウマチ性疾患における付着部炎の評価の重要性
  • ショウレイ ホウコク タハツセイ フチャクブエン ノ 1レイ : ショウニ リウマチセイ シッカン ニ オケル フチャクブエン ノ ヒョウカ ノ ジュウヨウセイ

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抄録

13歳女児.10歳時に両大腿部のこわばりと両膝関節痛が出現し,11歳時から両手のこわばりと 両肩の痛みが出現した.13歳時に原因精査目的に当科へ紹介となった.関節エコー検査で四肢の 腱周囲,付着部に浮腫性変化,血流シグナルの増加を認めた.18FFDG PET検査では,両四肢の腱 鞘部,付着部のほか,坐骨結節にFDGの集積を認めた.MRI検査ではFDG集積部に一致して脂肪 抑制T2強調画像で高信号となる病変を認めた.いずれの関節にも滑膜炎の所見は認めず,多発性 付着部炎と診断した.イブプロフェンの内服を開始したが効果に乏しく,プレドニゾロン (prednisolone:PSL)の追加により症状は改善した.しかし,ミオパチーを発症したためPSLを中 止した.中止後ミオパチーは改善したものの付着部炎の再発を認めた.adalimumabを導入したと ころ症状は改善した.関節炎を伴わない多発性付着部炎は非常に稀であるが,付着部炎の認知度 は依然低く関節痛の原因として鑑別すべき疾患として重要であると思われた.

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 8 (1), 3-9, 2017

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

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