非医療系大学の学生に対する効果的な歯科保健教育の検討

  • 小野 瑞歩
    日本歯科大学東京短期大学専攻科 歯科衛生学専攻
  • 池田 利恵
    日本歯科大学東京短期大学 歯科衛生学科

書誌事項

タイトル別名
  • Examining an effective dental-health educational program for non-medical university students: using bacterial counters to measure intraoral bacteria count
  • 非医療系大学の学生に対する効果的な歯科保健教育の検討 : 口腔内の細菌数を評価する細菌カウンタを活用して
  • ヒイリョウケイ ダイガク ノ ガクセイ ニ タイスル コウカテキ ナ シカ ホケン キョウイク ノ ケントウ : コウコウ ナイ ノ サイキンスウ オ ヒョウカ スル サイキン カウンタ オ カツヨウ シテ
  • -口腔内の細菌数を評価する細菌カウンタを活用して-

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抄録

<p> わが国の大学における歯・口腔の定期健康診断の実施率は低く,口腔保健教育に対する義務も定められていない.</p><p> 本研究の目的は,非医療系大学に在学する学生の現在における歯科保健行動と過去に受けた歯科保健教育を調査し,両者の関連性を明らかにすることである.また,口腔内の細菌数を評価するツールを活用した歯科保健教育が,歯科保健行動に与える効果を検討した.</p><p> 調査対象者は,非医療系大学に在学する学生50名であった.歯科保健教育の前後に記名自記式質問紙調査を行った.歯科保健教育前調査の際には,細菌カウンタを用いた口腔内細菌数の測定を行い,その結果を対象者に伝えた.</p><p> 本研究の結果,学校における歯科保健教育は小学校が最も充実しており,年齢が上がるにつれ教育の機会は減っていた.また幼少期における家庭での日常的な口腔衛生に関する経験が,成人期の歯科保健行動に影響を与え,口腔内環境に変化が生じたことが示唆された.さらに,ほとんどの者が口腔内細菌数の評価が自身にとって有効であると考えていた.</p><p> 本研究により,幼少期の家庭における歯科保健教育の有効性を周知するとともに,歯科に関する教育の機会が減少する大学生における歯科保健教育の充実を図る必要があることが示された.また,口腔内の細菌数を評価するツールを活用した歯科保健指導法は,歯科保健行動に良好な変化をもたらす有効な歯科保健指導プログラムであることが示唆された.</p>

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