P-1-A11 重度心身障害児(者)の外出の実態と課題についての調査研究

DOI
  • 梶浦 由佳
    姫路大学大学院 看護学研究科
  • 牛尾 禮子
    姫路大学大学院 看護学研究科
  • 幸福 秀和
    姫路大学大学院 看護学研究科
  • 郷間 英世
    姫路大学大学院 看護学研究科
  • 池田 友美
    摂南大学
  • 鰺坂 誠之
    大阪府立大学工業高等専門学校
  • 延谷 敦子
    姫路市肢体不自由児(者)のこれからを考える会 マザーリーフ
  • 宮田 広善
    社会医療法人財団 聖フランシスコ会 姫路聖マリア病院 重度障害総合支援センター ルルド
  • 小沢 浩
    社会福祉法人 日本心身障害児協会 島田療育センターはちおうじ
  • 大谷 聖信
    社会福祉法人 日本心身障害児協会 島田療育センターはちおうじ

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抄録

目的 重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))が住みやすいまちづくりを考えるために、外出行動の実態や外出時の課題や問題を明らかにする。 方法 保護者の会や通所施設等を通して質問調査用紙を154部配布し回答者は主たる養育者とし郵送等で回収し単純集計とした。質問調査用紙の内容は、「外出先」「移動手段」「外出で困ること」等であった。 結果 回答は55部(35.7%)であった。回答者は、母親49人(89.0%)、父親6人(10.9%)であった。重症児(者)の平均年齢は23.6±11.4歳、男子56.3%、女子43.6%であった。医療的ケアの必要な重症児(者)は42人(76.3%)で、内訳としては経管栄養30人(54.5%)、吸引30人(54.5%)であった。よく行く外出先は、公共施設14人(25.4%)、外出時の移動手段は介助者を伴う移動39人(70.9%)で、遠くへの移動手段は自家用車50人(90.9%)であった。外出で困ることは、「介助者がいないと外出できない」「車椅子への移乗が大変」「トイレには赤ちゃん用のベッドしかない」「トイレが狭い」「身障者用駐車スペースが狭い」「バリアフリーは障害者にはまだ整備されていない」「歩道が狭い」「道がガタガタ」「段差がある」などがあった。 考察 外出は介助者を伴い自家用車で移動することが多いが、トイレや駐車場がまだ整備されていないため、外出が困難なことがあった。身体が大きくなり、駐車スペースが狭く車椅子への移乗が負担となること、オムツ交換時に十分なスペースがないこと等は、親の身体的負担が大きい。福田ら(2007)は、障害者は行けるところに行く傾向がある。環境的条件を満たすことが先決であると報告しており、本研究と同様であった。 研究の限界 子どもの思いがわからないため無回答もあり、ことばのない重症児(者)を対象とした研究の限界と考えられた。

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