嗅球の血流調節における前脳基底部コリン作動性神経系の役割
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- 内田 さえ
- 東京都健康長寿医療センター研究所自律神経機能研究室
書誌事項
- タイトル別名
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- Physiological role of basal forebrain cholinergic system in the blood flow regulation of the olfactory bulb
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抄録
<p>前脳基底部に起始するコリン作動性神経は,認知・記憶・嗅覚に関わる大脳の新皮質・海馬・嗅球に投射する.新皮質や海馬では,コリン作動性神経は自律神経様の血管拡張神経として機能する.近年筆者らは,嗅球の血流調節におけるコリン作動性神経の役割を調べてきた.嗅球に入力するコリン作動性神経はアセチルコリンを放出するものの,その量は新皮質の半分以下であり,嗅球の局所血流に影響を及ぼさない.一方,匂い刺激で誘発される嗅球血流増加反応は脳内ニコチン受容体の活性化により増大することから,コリン作動性伝達は嗅球の匂い感受性を高めると考えられる.認知症初期にみられる嗅覚障害にコリン作動系障害の関与が示唆される.</p>
収録刊行物
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- 自律神経
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自律神経 57 (4), 212-216, 2020
日本自律神経学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390849931331169024
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- NII論文ID
- 130007973238
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- ISSN
- 24347035
- 02889250
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可