ヘリウム4の通常液体と超臨界流体への経路積分的アプローチ

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  • ヘリウム 4 ノ ツウジョウ エキタイ ト チョウリンカイ リュウタイ エ ノ ケイロ セキブンテキ アプローチ

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<p><tt>経路積分セントロイド分子動力学計算によって,ヘリウム4の通常液体の輸送係数の計算と超臨界流体の物性解明の2つのテーマの研究を行った.</tt>2.2 K <tt>以上の通常液体に対して輸送係数を計算したところ,熱伝導率,ずり粘性係数の実測の再現性は良好であった.一方,ヘリウム4の超臨界流体については,古典超臨界流体と同様に</tt>Widom <tt>線,</tt>Frenkel <tt>線による液体様・気体様状態の区別が可能であった.新規に定義した動的尺度からは亜臨界状態が検出された.古典系にないこの系の特徴は,換算温度圧力平面上で</tt>Widom <tt>線の傾きが緩いこと,液体様流体の定圧熱容量が顕著に低いことである.これらはいずれも,液体様状態における温度上昇とともに減少する運動エネルギー,あるいは</tt>Feynman <tt>虚時間経路の平均自乗変位の最大振幅の温度依存性によって説明することができた.</tt>Widom <tt>線は量子性状態境界でもあることを明らかにし,それを跨いだ詳細状態間クロスオーバーと原子の波動性・量子性との間の関係を解明した.</tt></p>

Journal

  • Ensemble

    Ensemble 22 (1), 14-21, 2020-01-31

    The Molecular Simulation Society of Japan

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