筋萎縮性側索硬化症患者における血清クレアチニン値を利用した腎機能評価方法の検討

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  • Assessment of a method for evaluating renal function based on serum creatinine level in patients with amyotrophic lateral sclerosis.
  • キン イシュクセイ ソクサク コウカショウ カンジャ ニ オケル ケッセイ クレアチニンチ オ リヨウ シタ ジンキノウ ヒョウカ ホウホウ ノ ケントウ

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抄録

<p>筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者では全身性の筋萎縮を伴うために血清シスタチンC(CysC)による推算糸球体濾過量(eGFRcys)のように筋肉量に依存しない腎機能評価方法が好ましいが、eGFRcysは血清クレアチニン(SCr)による推算糸球体濾過量(eGFRcreat)や推算クレアチニンクリアランス(eCCr)に利便性が劣る。本研究の目的は、ALS患者を対象にeGFRcreat及びeCCrを推算する腎機能評価方法の中で最も未補正eGFRcysに近似する方法を決定することである。2014年5月から2019年11月の期間でSCrとCysCが測定されたALS患者を対象とし、modified Rankin Scale(mRS)2以下群14名とmRS3以上群7名に分けた。各群に対して(a)eGFRcreat及び次の(b)から(f)の方法で求めたeCCrをeGFRcysと比較した。(b)酵素法:酵素法SCrにより推算、(c)+0.2補正法:SCr値に0.2mg/dLを加えて補正、(d)ラウンドアップ法:SCr値0.6 mg/dL未満の場合0.6 mg/dLに補正、(e)古久保法:男性はSCr値0.8 mg/dL未満の場合0.8 mg/dLに、女性はSCr値0.6 mg/dL未満の場合0.6 mg/dLに補正、(f)Dooley法:SCr値0.06 mmol/L未満の場合0.06 mmol/Lに補正し推算した。予測精度をeGFRcreatとeCCrの値がeGFRcysの値の±30%以内にある患者の割合として比較した結果、mRS2以下群及びmRS3以上群の両群において(c)がそれぞれ100%、71.4%と最も高かった。よって、ALS患者の腎機能評価方法として酵素法SCr値に0.2 mg/dLを加えたSCr値を用いることで、eCCrとeGFRcysとの一致性がより高いことが明らかとなった。</p>

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