ウルトラファインバブル浴の温熱生理学的効果

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タイトル別名
  • Thermophysiological Effects of Ultrafine Bubble Bathing
  • ウルトラファインバブルヨク ノ オンネツ セイリガクテキ コウカ

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抄録

<p>  【目的】本研究はバブル粒径が極小粒径のウルトラファインバブル(UB)浴の温熱生理学的効果について,小粒径のマイクロバブル(MB)浴およびさら湯(FW)浴と比較・検討した.</p><p>  【方法】健康な成人女性7名(平均年齢35.6±2.9歳)を対象に,UB浴,MB浴,FW浴の全身浴(湯温40℃)をそれぞれ10分間行わせた.その際,耳内温,皮膚温,局所発汗量,皮膚血流量,熱流量,心拍変動を1秒毎に連続記録した.加えて,主観的感覚(温冷感および快適感)の自己申告を行わせた. </p><p>  【結果】入浴中の耳内温および平均体温の上昇はMB浴で最も高く,UB浴とFW浴ではほぼ同じ上昇傾向を示した.入浴中の局所発汗量はMB浴が最も高値を示し,UB浴が最も低値を示した.MB浴では,発汗発現の閾値体温が最も低く,また体温上昇に対する発汗量の増加が最も大きかったのに対し,UB浴では体温上昇に対する発汗量の増加が3条件の中で最も少なかった.</p><p>  【考察】UB浴では,浴槽内に高濃度に発生したUBおよびMBが体内への入熱量を減少させたことにより,耳内温の上昇が抑制され,局所発汗量が最も低値を示したと考えられる.他方,中濃度に発生したMB浴では,UBおよびMBによる入熱量の減少よりも湯の対流による入熱量の増加が上回った結果,耳内温や局所発汗量が最も高値を示したと推察される.</p><p>  【結論】浴槽内に発生した異なるバブルの性状は,入浴中および入浴後の熱出納を変化させ,その結果として体温調節反応に差異をもたらすことが明らかとなった.</p>

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