新潟県新潟市江南区および五泉市近郊におけるエチゴモグラ<i>Mogera etigo</i>とアズマモグラ<i>M. imaizumii</i>の分布,2019年の現状

  • 佐藤 雄大
    新潟大学農学部農学科 徳島大学大学院社会産業理工学研究部
  • 江藤 毅
    琉球大学農学部亜熱帯地域農学科
  • 篠原 明男
    宮崎大学フロンティア科学総合研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Distribution of <i>Mogera etigo </i>and <i>Mogera imaizumii</i> in Niigata and Gosen cities: the status in 2019
  • 新潟県新潟市江南区および五泉市近郊におけるエチゴモグラMogera etigoとアズマモグラM. imaizumiiの分布,2019年の現状
  • ニイガタケン ニイガタシ コウナンク オヨビ ゴセンシ キンコウ ニ オケル エチゴモグラ Mogera etigo ト アズマモグラ M. imaizumii ノ ブンプ,2019ネン ノ ゲンジョウ

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説明

<p>エチゴモグラMogera etigoは,新潟県の越後平野にのみ生息する日本固有種である.本種は,生息域が局所的であり,人為的な生息地改変や,競合種であるアズマモグラM. imaizumiiとの種間競争の影響により,分布域の縮小が懸念されている.過去の研究において,エチゴモグラの主要分布域の一部であり,その分布変化の最前線と考えられてきた新潟市江南区および五泉市の2地域で,エチゴモグラの分布後退が懸念されているが,最近の分布状況は明らかではない.本研究では,モグラのトンネルサイズを計測することで,これら2地域におけるエチゴモグラとアズマモグラの分布状況の調査を行った.その結果,新潟市江南区では,アズマモグラのトンネルが新たに確認され,エチゴモグラと同所的に生息していることも明らかとなった.過去の分布状況と比較すると,同地区におけるエチゴモグラの分布域は縮小している可能性が示唆された.一方で五泉市ではアズマモグラが優占し,局地的に単独でエチゴモグラのトンネルがみられる区域と,2種が同所的に生息する区域が確認された.五泉市における2種の分布状況は,過去のものと比較して大きな変化はみられなかったが,今後の土地利用の変化によっては,局在化したエチゴモグラの生息地は消失することも懸念される.</p>

収録刊行物

  • 哺乳類科学

    哺乳類科学 61 (1), 29-37, 2021

    日本哺乳類学会

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