金属触媒と青色光による免疫細胞表面の微小空間マッピング

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抄録

生体分子は,細胞内の特定部位に局在することで生命機能を形成する.生体分子間の空間的局在関係を解明する方法論である微小空間マッピングは,生命現象を理解するうえで重要な研究テーマである.微小空間マッピングの有力な手法として,近接ラベル化法がある.この手法では,標的タンパク質に融合させた酵素によって近傍のタンパク質をビオチン修飾することで,分離精製と質量分析による同定を可能とする.既存の例として,ビオチンリガーゼを用いるBioID法やアスコルビン酸ペルオキシダーゼを利用するAPEX法等が知られている.ただし,タンパク質相互作用を分子レベルで解析するには,既存の方法ではビオチン修飾の空間分解能が必ずしも十分とは言えない.本稿では,イリジウム触媒と青色の可視光を利用することで,既存の方法よりも高い空間分解能を実現した微小空間マッピングの新技術を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Branon T. C. et al., Nat. Biotechnol., 36, 880-887(2018).<br>2) Lam S. S. et al., Nat. Methods, 12, 51-54(2015).<br>3) Geri J. B. et al., Science, 367, 1091-1097(2020).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 57 (3), 229-229, 2021

    公益社団法人 日本薬学会

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