鼠径管内神経鞘腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Schwannoma in the Inguinal Tract
  • 症例 鼠径管内神経鞘腫の1例
  • ショウレイ ソケイカン ナイ シンケイ サヤ シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>61歳,女性.数年前から左鼠径部の腫脹を自覚し婦人科を受診していたが,10日前から大きくなり,軽度の疼痛も出現したためNuck管水腫の疑いで外科へ紹介となる.CT画像を経時的に精査すると,腫瘤は鼠径管内を外鼠径輪に向けて移動かつ増大していた.感染を伴ったNuck管水腫と診断し手術を行った.腫瘤は外鼠径輪から半分突出していた.鼠径管を開放し腫瘤を周囲組織から剥離すると,4cm大の球状で線維状の索状物が内鼠径輪の外側でblue lineに付着していた.腫瘤は子宮円索と接していたが連続は無く,陰部大腿神経との交通も不明であった.病理組織検査では神経鞘腫であった.神経鞘腫は発生母体となる神経の同定が困難であるが,経時的変化を鑑みて陰部大腿神経の陰部枝が関連するものと思われた.女性の鼠径部に発生する神経鞘腫は比較的稀なため,若干の文献的考察を加えて報告する.</p>

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参考文献 (2)*注記

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