O-2-G21 通所支援、日中活動の場における医療的ケアの実施状況について

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抄録

はじめに 在宅重症児の重度化や地域の福祉サービスの利用により、日中活動の場における医療的ケアの必要性が10年前とどのように変化しているのか調査した。 対象・方法 対象は2014年度に通園センター、生活介護施設ケアステーション魚沼、県央を定期利用した106名(通園47名、県央32名、魚沼28名)。調査内容は医療ケアの実施者・実件数を常時必要なケア、定期的な診察やリハビリ、状態観察や管理、突発的な診察や対応に分け集計し、2004年度に調査したものと比較した。 結果 対象の重症児スコアは、2004年、準超重症児が3名。2014年は準超重症児12名、超重症児5名。 医療を必要とした利用者と実施件数は、2004年は58名中55名(94.8%)、利用述べ人数3456名中1954名(56.5%)で3320件だった。2014年では106名中89名(84%)、利用述べ人数10640名中5867名(55.1%)13379件あった。 常時必要なケアとして、注入実施は2004年10名で625件。2014年は37名3716件となった。呼吸器管理者は2004年0名が2014年は5名となった。吸引実施は2004年15名640件。2014年は35名1526件だった。定期的診察の必要な利用者は2004年31名340件、2014年45名2694件あった。リハビリ実施者は2004年34名1207件、2014年は72名4604件あった。状態観察や管理が必要なケースは2004年27名106件、2014年は71名215件あった。突発的に診察や対応が必要となったケースは2004年48名218件、2014年は42名223件あった。 まとめ 調査施設において、医療的ケアを約8割以上の利用者が必要としており、ケアの必要性は継続していた。常時必要なケアや定期的な診察・リハビリを必要とする利用者は増加していることから、在宅重症児の重度化や増加から通所施設の利用における医療的ケアはますます増えていくと考えられる。重症児者が健康に充実した在宅生活を送るためには、日中活動の場における支援が重要になると示唆される。 今後も、利用者の障害特性に応じた医療や療育を提供していきたい。

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