O-126 干渉低周波とストレッチの相乗効果について‐結帯動作の制限に着目して‐

説明

<p>【はじめに】肩関節周囲炎の患者にて結帯動作制限が残存することが多くみられ、運動療法のみでは効果が少ない症例もある。また、患者に対し物理療法として、干渉低周波(以下:干渉波)を施行するが、鎮痛や血流増加を目的として使用することが多い。干渉波の効果には、筋のリラクセーション効果があるが、運動療法と併用し関節可動域改善に使用することは少なく、その報告も少ない。そこで今回、ストレッチと干渉波を組み合わせて行うことによる相乗効果により、結帯動作制限の改善に対して有用であるか検証した。</p><p>【対象】結帯動作に左右差が有る若年者54 名(男性22 名、女性32 名)、年齢27.8±6.2 歳とした。</p><p>【方法】結帯動作は座位で母指を立てた手掌握りにて、第7 頸椎棘突起から母指先端の指椎間距離で測定した。干渉波は、腹臥位にて棘下筋斜走線維に1~20Hz で筋収縮がわずかに生じる程度の刺激で15 分間施行した。ストレッチは背臥位にて肩関節水平内転を20 秒間3 回実施した。この方法を用いて、干渉波とストレッチを施行した群(以下:干渉波群)とストレッチのみ施行した群(以下:ストレッチ群)の2 群に分類し、結帯動作の変化を調査した。統計処理は対応のないT 検定を使用し、有意水準5%未満とした。本研究は当院倫理委員会に承認を得た上で、対象者には研究の主旨を十分に説明し同意を得た。</p><p>【結果】干渉波群の結帯動作平均変化量は3.8±2.5cm、ストレッチ群の結帯動作平均変化量は2.1±2.1cm となり、干渉波群に有意差を認めた。</p><p>【考察】干渉波を施行することで、筋緊張が軽減し、ストレッチの効果が高まったと考えられる。そこから干渉波と運動療法の相乗効果が示唆され、結帯動作制限の改善に有用であると考える。</p><p>【終わりに】今回は若年者にて効果が示唆されたが、今後干渉波のみの検証や、有疾患者での効果も検討していく必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390850313414348800
  • NII論文ID
    130007997413
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.35.0_126
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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