全般的な知的水準が境界領域であった読み書き障害群の認知能力

DOI Web Site 被引用文献1件 オープンアクセス
  • 三盃 亜美
    大阪教育大学教育学部 NPO法人LD/Dyslexiaセンター
  • 宇野 彰
    筑波大学人間系 NPO法人LD/Dyslexiaセンター
  • 春原 則子
    目白大学保健医療学部 NPO法人LD/Dyslexiaセンター
  • 金子 真人
    国士舘大学文学部 NPO法人LD/Dyslexiaセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Cognitive Abilities of Children Showing Borderline Intellectual Functioning and Reading/Writing Difficulties
  • ゼンパンテキ ナ チテキ スイジュン ガ キョウカイ リョウイキ デ アッタ ヨミカキ ショウガイグン ノ ニンチ ノウリョク

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説明

全般的な知的水準が境界領域の読み書き障害児50名を対象に,先行研究と同一の認知検査を実施し,音韻能力,視覚認知力,自動化能力,音声言語の長期記憶力を検討した。学年や単語の意味理解力に関係なく,読み書き困難の中核的な障害機序は音韻障害+視覚認知障害と,音韻障害+視覚認知障害+自動化の障害という2つの複合的な認知障害構造ではないかと思われた。これらの複合的な認知障害構造は,全般的な知的機能に遅れのない発達性読み書き障害の中核的な障害機序と共通した。また,単語の意味理解力や言語性の長期記憶力といった,発達性読み書き障害児の多くに認められる良好な認知能力が,本研究で対象とした児童では必ずしも良好ではなかった。今後,認知検査にて個々の児童の低い認知能力と良好な認知能力を明らかにしたうえで,読み書き指導の効果を検討した教育的実践研究を蓄積していくことが大切ではないかと思われた。

収録刊行物

  • LD研究

    LD研究 25 (2), 218-229, 2016

    一般社団法人 日本LD学会

被引用文献 (1)*注記

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