病院内で使用されている寝具に関する全国調査

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タイトル別名
  • Nationwide Survey on Hospital Bedding
  • ビョウイン ナイ デ シヨウ サレテ イル シング ニ カンスル ゼンコク チョウサ

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抄録

<p>入院患者の心理的なストレスを軽減するために快適な病室環境が求められる.本研究では,病室環境で最も患者の目に触れ,患者自身が使用する寝具の実態を明らかにすることを目的に全国の病院を対象に調査を実施した.162 病院の看護部統括責任者から回答を得た.寝具の色は白の使用が最も多く(シーツ97.5%,布団カバー69.8%,枕カバー89.5%),柄の有無では無地が多く(シーツ 99.4%,布団カバー71.6%,枕カバー95.1%),清潔感を求めて使用されていた.色物や柄物は,患者のリラックスを求めて使用されていた.寝具に必要とされる要素では,安全衛生(感染防止等)が96.3%で最も多かったことから,白の寝具を利用することで清潔感や安全衛生(感染防止等)を重視していることが認められた.寝具の印象評価では,白は「患者に清潔な印象を与える」,うすい赤は「患者が癒される,患者に室内を暖かく感じさせる」寝具であると評価された.無地は「患者に清潔な印象を与える」,あまり「患者に派手な印象を与えない」,柄物は「患者が落ち着ける,患者が安心できる,患者が癒される,患者の気分が明るくなる,患者に室内を暖かく感じさせる」寝具であると評価された.色物や柄物には患者の心理的快適性が期待できることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • 繊維製品消費科学

    繊維製品消費科学 62 (3), 192-199, 2021-03-25

    一般社団法人 日本繊維製品消費科学会

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