東日本大震災前後での緊急地震速報に対する住民意識の比較分析

  • 大原 美保
    東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター 東京大学生産技術研究所
  • 目黒 公郎
    東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター 東京大学生産技術研究所
  • 田中 淳
    東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター 東京大学生産技術研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Comparative Study on People's Awareness of Earthquake Early Warning before and after the 2011 Great East Japan Earthquake
  • ヒガシニホン ダイシンサイ ゼンゴ デ ノ キンキュウ ジシン ソクホウ ニ タイスル ジュウミン イシキ ノ ヒカク ブンセキ

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抄録

<p>2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震後、相次ぐ余震活動により緊急地震速報が多数発表され、住民が速報を見聞きする機会が増えた。本研究では、2010年9月29日の福島県中通りを震源とする地震後、関東地方の住民を対象としたインターネットアンケート調査を行った後、2011年の東日本大震災後に同じ回答者に対する追跡調査を行い、住民意識の変化を分析した。2010年と2011年の両回答について、①緊急地震速報の認知度、②空振りに対する意識、③緊急地震速報の聞き取り状況、④緊急地震速報を見聞きした場合の対応行動、⑤緊急地震速報への評価に着目して、意識の変化を分析した.この結果、東日本大震災後、緊急地震速報の認知度は飛躍的に高まり、テレビや携帯電話で受信できることを知っている割合は2011年時点で9割程度となった。緊急地震速報を見聞きした際の「身を守る、声をかける」などの安全行動の割合も増加し、住民の緊急地震速報の対応力は向上したと考えられた。また、緊急地震素速報を実際に見聞きした場合や、地震前から技術的課題を認識しており空振りへの許容度が高い場合には、緊急地震速報の有効性の認識が高まることがわかった。今後は、速報の精度向上とともに、技術的課題を理解した上で活用してもらうための更なる情報提供が必要であると考える。</p>

収録刊行物

  • 災害情報

    災害情報 10 (0), 113-121, 2012

    日本災害情報学会

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