熊本地震における被災者アンケート調査からみる災害情報利用の実態

  • 福田 充
    日本大学危機管理学部 危機管理学科 日本大学大学院新聞学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • クマモト ジシン ニ オケル ヒサイシャ アンケート チョウサ カラ ミル サイガイ ジョウホウ リヨウ ノ ジッタイ

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抄録

<p>2016年4月に発生した熊本地震において被災者がどのような対応行動や避難行動をとり、災害情報を利用したか、その実態を解明するための被災者アンケート調査を実施した。その結果、14日の前震において低かった避難率(52.6%)が16日の本震で高まったこと(94.1%)、避難先は14日の前震で自家用車による車中泊が多かったが16日の本震で指定された避難所への避難が増えたことが明らかとなった。自宅の倒壊により下敷きとなった被災者の生存者のほとんどが自力脱出または家族や地元の消防団によって救助されている。地震情報の第一報は14日の前震ではテレビが多く、16日の本震では携帯メールや家族や知人、ラジオが多い傾向があった。避難生活において、風呂やトイレに対する苦労や、飲料水・食料に対する苦労、ライフラインなどに関する苦労が、それらに対する情報ニーズの高まりにつながっており、そうした情報ニーズに対して役立ったメディアはテレビやラジオからの災害情報であることが明らかとなった。</p>

収録刊行物

  • 災害情報

    災害情報 15 (2), 121-126, 2017

    日本災害情報学会

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