解釈学的アプローチによる教師研究の可能性:

書誌事項

タイトル別名
  • A Hermeneutics Approach to Research on Teachers;
  • 解釈学的アプローチによる教師研究の可能性 : 教職ナラティヴを通じたリアリティ構成に着目して
  • カイシャクガクテキ アプローチ ニ ヨル キョウシ ケンキュウ ノ カノウセイ : キョウショク ナラティヴ オ ツウジタ リアリティ コウセイ ニ チャクモク シテ
  • Focusing on Reality Construction as Seen in Teachers’ Narratives
  • 教職ナラティヴを通じたリアリティ構成に着目して

この論文をさがす

抄録

<p> 本研究の目的は,教育社会学における教師研究の課題とともに,教職ナラティヴの質的研究の方法論上の可能性を明らかにすることである。<br> 教育社会学は,多様な分析手法を持って教師と向かいあってきている。しかし本研究は「教師の成長」について,先行研究の孕むポストコロニアリズム課題を二つ指摘した。第一が実証主義パラダイムの政治性であり,第二が解釈主義的アプローチの政治性である。そこで本研究はこれに対峙する上で質的研究の方法的課題を整理し,解釈学的アプローチとしての教職ナラティヴ研究の重要性と研究枠組みを提起した。<br> 研究の規準には,第一にナラティヴ・リアリティという研究対象の限定と認識論上の線引き,第二に研究者の資源と研究協力者の資源の「透過性」を記述すること,第三にドミナントストーリーへの疑問を抱かせ,多様な議論を誘発する研究成果の産出可能性を「方法に適した規準」として設定した。<br> 本研究では,3名の研究協力者へのインタビューをもとに,研究者と研究協力者の相互作用で生成される教職ナラティヴのリアリティ構成を探究した。<br> 研究の知見には,第一に教師の成長に関する語りがナラティヴの埋め込み化や文脈的拘束性という個別的関係的なコンテクストでしか示され得ないこと,第二にその限定性が教師の資質能力向上を求める教育改革の支配的言説と絡まって教職の不確実性を強化していること等を明らかにした。</p>

収録刊行物

参考文献 (3)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ