装具支援における患者ファーストの多職種連携

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抄録

<p> 2008年3月 地元の工業高校を卒業後,オートバイメーカーに就職。休日に友人とオートバイでツーリングに行った帰りに,普通乗用車と交差点で事故に遭いました。意識不明の重体の状態で病院に運ばれ,心臓も二度止まりました。その後,一命は取り止めましたが頸髄損傷による上下肢機能全廃という障害を負いました。それからは別の病院やリハビリ施設での約2年間のリハビリを経て,自宅へ戻ることが出来ました。</p><p> 帰宅後は「人生は一度きり」という言葉を胸に,パラグライダー・スカイダイビング・スキューバダイビングなどに挑戦をしました。また,これからの生き方について考えるようになり,今の自分があるのも様々な人が支えてくれたお陰だと感じ,これからは自分も支援する側になれたらと,福祉系の4年制大学へ入学・卒業をしました。</p><p> 同じ時期に元々,学生時代に運動部に所属していたことから“スポーツをしたい”と思い,重度の障害者ができるスポーツのボッチャと出会い,現在も続けています。</p><p> </p><p> 私は受傷直後から“リハビリテーション”を受け続けています。今回,初めて“リハビリ”というものを受けた頃の気持ちや思ったことをお伝えできたらと思います。</p><p> 当時,感じていたが2つあります。1つ目が,“リハビリの内容について患者さんが,しっかりと理解・納得できているのでしょうか”という点です。患者さんの多くは,リハビリ内容について「専門職者であるセラピストが言うことだから…」と言われるがまま,リハビリを行っている人多いと思います。されるがまま,どこか患者さんの存在が置いてきぼりになってはいないでしょうか?</p><p> 2つ目には,“義肢装具・自助具について【使用する側の想い】と,【支援する側の思考】に相違がある”ように感じたことがありました。私自身も受傷をしてから自助具を何回か製作していただいたことがありますし,自助具や義肢装具によって出来なかった動作ができるようになりました。しかし,自助具や義肢装具というのは機能重視だったりするので,見た目という点が二の次だったりしないでしょうか。当然,価格といった問題もありますが,患者さんが装具や自助具を「気軽に使用したい」と思えるものを製作することができれば,患者さんのできる動作が増えたり,日常的の行動範囲が広がるかもしれませんし,それに伴って生活の質も向上すると,私は思います。</p><p> 患者さんの人生が少しでも良くなっていくように,今回,お話が出来たらと思います。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390850490579941888
  • NII論文ID
    130008011168
  • DOI
    10.14900/cjpt.47s1.d-9
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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