義肢支援技術の継承
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- 梅澤 慎吾
- 鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター付属診療所
書誌事項
- タイトル別名
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- -「聴く者」「語る者」双方の啓発-
説明
<p> 小生はこれまでに,本テーマに類する内容の話題提供を,度々経験してきました。このとき,決まって話すことは“義足及び装着リハに関する可能性や多様性”です。今回も論する根幹は相変わらずだと思いますが,話を届ける対象をなるべく拡げていくことを目標にしたいと考えます。そのためには我々の立場も,これまでの手法を顧みつつ,下肢切断と義肢を取り巻く様々な情報について,より客観的に現状把握を進めることが,今後の努めになると思います。</p><p> 義肢リハビリテーションの成功体験(ときに失敗)を重ねた者にとって,支援工学はアプローチ次第で“上手く軌道に乗る雰囲気”が醸し出される興味深い分野です。ですから深く知る者の輪の中には『義足は成果が自他ともに分かり易い』『義足のリハゴールは,関わるスタッフ次第で雲泥の差となるので責任感が芽生える』のように,共通した見解が存在します。しかし同時に「知る者≒探究者」と「知らぬ者≒無関心」の差が,年々広がっているような空気も感じます。これは決して個人の資質に問題があるのではなく,時代・制度・環境の影響を受けます。</p><p> このセッションに出席される皆さんには,参加の時点で“ただの聴衆ではない”という意識を持っていただけるように期待します。私はこのセッションのスピーカーとして役割を果たします。参加の皆さんは,知る者と知らぬ者を繋ぐリンクマンとして,各々の活躍の場で話題提供してもらいたいと思います。</p><p> 抄録では断片的になりますが“技術継承を声高に訴える理由”“義肢分野で起きている現状課題の原因”などについてご説明したいと思います。義足をつぶさに観察したことのない人,切断の理学療法の経験がない人,下肢切断者を担当するも義肢装具士が実質のリハビリを担当している印象が強い人,職場で切断者は見るがリハ処方にまで至らないという印象をもつ人,リハゴールの天井を見ずに退院を余儀なくされた経験をもつ人,義足の完成=リハビリ終了のような流れで仕事をしている人,どんなきっかけでも構いません。下肢切断と義肢について,これまでより関心を持つきっかけとなれば幸いです。</p>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 47S1 (0), D-5-D-5, 2020
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390850490579945728
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- NII論文ID
- 130008011203
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可